福岡県|電気工事業登録と建設業許可の違い

この記事の作成者

えんまん行政書士オフィス
行政書士 上妻直人(こうづまなおと)
建設業許可申請を専門に許可取得・更新をサポートしています。特に、これまで許可とは無縁だった下請け専門の会社様や一人親方様が、許可取得をきっかけに事業を拡大していく姿を見るのが一番のやりがいです。「何から手をつけていいか分からない」という方のお悩みに、とことん寄り添います。
こんにちは。建設業許可の申請サポートを専門にしている上妻です。
この2つの制度は名前も似ていて、非常に混同しやすいため、多くの経営者様が同じ点で悩まれています。
建設業許可と電気工事業登録の違いは?プロが教える完全ロードマップ
「建設業許可のこと?うちは『電気工事業登録』は済ませてるから大丈夫だよ」
いつもお世話になっている元請けの社長と話していて、ふとこんな会話になったことはありませんか?
実は、この2つは全くの別物。この違いを知らないままだと、知らないうちに法令違反になっていたり、受注できるはずの大きなチャンスを逃したりしてしまうかもしれません。
この記事では、「今さら聞けない…」と感じている社長様のために、「建設業許可(電気工事)」と「電気工事業登録」の違いから、あなたの会社にはどちらが必要なのか、そして取得までの流れを、この記事一本で全てが分かるように、順序立てて解説していきます。
この記事の構成(知りたい順に解説します)
- 結論:建設業許可と電気工事業登録の根本的な違い
- 「建設業許可(電気工事)」を徹底解説
- 「電気工事業登録」の4つの種類を完全整理
- あなたの会社に必要な手続きはどれ?ケース別診断
- まとめ:会社の未来のために、次の一歩へ
1. 結論:建設業許可と電気工事業登録の根本的な違い
まず、最も重要なポイントです。この2つは「法律」と「目的」が異なります。
| 建設業許可(電気工事) | 電気工事業登録 | |
| 根拠になる法律 | 建設業法 | 電気工事業法 |
| 目的 | 500万円以上の工事を「請け負う」ため | 電気工事を「施工(作業)」するため |
| キーワード | 営業のための許可 | 安全のための登録 |
簡単に言えば、「大きな仕事をするための許可」が建設業許可で、「現場で安全に作業するための資格証明」が電気工事業登録です。全くの別物ですが、実は深く連動する部分もあります。これから、一つずつ見ていきましょう。
2. 「建設業許可(電気工事)」を徹底解説
こちらは、いわば大きな工事を受注し事業を大きくするための許可です。元請けから取得を勧められるのは、ほとんどがこの許可のことです。
どんな時に必要?
1件の請負代金が500万円(税込)以上の電気工事を、元請け・下請け問わず請け負う場合に必要です。
重要なのは、これは自社で直接作業をしなくても必要だという点。例えば、工事全体を管理する元請けの立場になった場合も、この許可がなければ500万円以上の契約はできません。
どうすれば取得できる?(主な要件)
許可取得には6つの大きな要件がありますが、特に押さえておくべきなのは、会社の「経営力」と「技術力」を証明する、以下の2つです。
① 経営業務の管理責任者(経営力)
これが最難関です。電気工事業の経営経験が5年以上ある人が、社内に常勤していることを証明します。
過去5年分の確定申告書や履歴事項、工事契約書や請求書などで、その経験を客観的に裏付けなければなりません。
② 専任技術者(技術力)
営業所に常勤する技術責任者のことです。以下のいずれかの方法で証明します。
- 資格で証明する
- 一級電気工事施工管理技士
- 第一種電気工事士 など
- ※二級電気工事施工管理技士や第二種電気工事士の場合は、資格取得後に一定の実務経験が必要です。
- 実務経験で証明する
※【電気工事業だけの特別ルール】無資格での「実務経験10年」は認められません!
他の多くの建設業種では「10年の実務経験」で技術者になれますが、電気工事業は別です。
電気工事士法で「そもそも資格がないと作業ができない」と定められているため、役所は無資格での経験を、許可のための実務経験として認めません。これは本当に多くの方が陥る落とし穴なので、絶対に覚えておいてください。
費用や期間はどれくらい?
- 費用: 福岡県に支払う法定費用として9万円が必要です。その他、証明書類の取得費用や、専門家(行政書士)に依頼する場合は報酬(15万円前後~)がかかります。
- 期間: 書類を提出してから許可が下りるまで、約1ヶ月半~2ヶ月が目安です。不備があれば、さらに延びてしまいます。
3. 「電気工事業登録」の4つの種類を完全整理
こちらは、ほとんどの電気工事業者様に関わる作業をするための登録です。ご自身の会社がどれに当てはまるか、整理しておきましょう。
① 登録電気工事業者
- どんな時に必要?
- 一般家庭や小規模店舗の工事(一般用電気工作物)
- 電力会社から600V超で受電する工場などの工事(自家用電気工作物)
- この両方を行う、最も一般的な電気工事業者様がこの登録をします。
- 必要な資格: 営業所ごとに「主任電気工事士」(第一種電気工事士 or 第二種+実務3年)の設置が必要です。
- 費用: 法定費用として22,000円が必要です。行政書士に依頼する場合には約5万円かかることが一般的です。
② みなし登録電気工事業者
- どんな時に必要?
- 上記①と同じ工事を行うが、すでに建設業許可を持っている場合です。
- 上記①と同じ工事を行うが、すでに建設業許可を持っている場合です。
- ポイント: 建設業許可業者はこちらの届出をすることで、①の「登録」をしたと“みなされ”ます。そのため「みなし登録」と呼ばれます。法定費用はかからず、届出で済みます。行政書士に依頼する場合には約4万円かかることが一般的です。
③ 通知電気工事業者
- どんな時に必要?
- 一般家庭の工事はせず、工場などの自家用電気工作物の工事だけを行う場合。
- 一般家庭の工事はせず、工場などの自家用電気工作物の工事だけを行う場合。
- ポイント: かなり限定的なケースなので、該当する事業者は少ないです。
④ みなし通知電気工事業者
- どんな時に必要?
- 上記③の工事だけを行い、かつ建設業許可も持っている場合。
- 上記③の工事だけを行い、かつ建設業許可も持っている場合。
- ポイント: こちらも「みなし」なので、法定費用はかからず届出のみです。
4. 【実践編】あなたの会社に必要な手続きはどれ?ケース別診断
さて、ここまでの情報をもとに、あなたの会社がどのパターンに当てはまるかを見ていきましょう。
ケースA:「電気工事業登録」だけでOKな場合
【こんな会社様】これからも請け負う工事は、すべて1件500万円(税込)未満。大きな工事を元請けとして受注する予定はない。
この場合は、「① 登録電気工事業者」の手続きだけで法律上の問題はありません。多くの一人親方や小規模な会社様が、まずはこのケースに該当します。
ケースB:「建設業許可」と「みなし登録」の両方が必要な場合
【こんな会社様】元請けから500万円(税込)以上の工事を打診されている、または将来的に受注したい。公共工事にも挑戦して経営を安定させたい。
この場合は、まず「建設業許可」の取得を目指しましょう。許可さえ取れれば、「② みなし登録電気工事業者」としての簡単な届出をするだけで、両方の条件をクリアできます。元請けがあなたに期待しているのは、まさにこの状態です。
まとめ:会社の未来のために、まず現状を把握することから
建設業許可と電気工事業登録の違い、そしてあなたの会社が進むべき道筋が、クリアになったでしょうか。
見てきたように、建設業許可の取得は、社長が本業の合間に片手間でできるほど簡単な手続きではありません。特に、経営経験や技術者要件の証明(電気工事業特有のルールを含む)は、専門的な知識がないと非常に困難です。
しかし、その面倒な壁の向こうには、500万円の壁を越えて事業を拡大できるチャンスと、元請けや金融機関からの揺るぎない信頼が待っています。
「いざ取得しようと思っても、何から始めたらいいか分からない…」
そう感じたなら、まずは一度、専門家に相談してみることをお勧めします。
もちろん、いきなり依頼する必要はありません。「うちの会社の経歴で、そもそも許可は取れるんだろうか?」そんな疑問をぶつけてみるだけでも大丈夫です。私たちは、社長が安心して事業を成長させるためのパートナーです。
弊所は福岡県筑紫野市・小郡市・久留米市やその周辺で頑張るあなたの、次の一歩を全力で応援します。
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